

私は、1950年にアフガニスタンで生まれ、高校を卒業後1969年に国費留学生として来日しました。千葉大学留学部での日本語及び基礎科目を修了後、京都大学医学部に編入し、1976年に京都大学の医学部を卒業、1984年には同大学医学部博士号を取得しました。
1976年以降は医師として経験を重ね、静岡県島田市の市民病院で呼吸器科医長を務めた後、1989年から1991年までは国際協力機構(JICA)が実施するイエメン共和国結核対策プロジェクトのチームリーダーを務めました。
イエメンからの帰国後は、呼吸器科部長として松江赤十字病院に勤務、1993年以降には静岡県島田市で医療法人社団健祉会と社会福祉法人島田福祉の杜の2法人を立ち上げ理事長に就任し、レシャード医院や介護老人保健施設アポロン、特別養護老人ホームあすかなどの運営と在宅医療に携わっています。

1979年のソ連軍のアフガニスタン侵攻に端を発した戦禍がアフガニスタンを苦しめ続けていました。ソ連軍との戦闘やソ連撤退後の内戦などにより、パキスタンやイランに多くの難民が流出し、両国には多くの難民キャンプが設置されました。その頃、私は単独でパキスタンにある難民キャンプで医療ボランティアに従事していました。
そのような中、2001年9月、アメリカ同時多発テロの発生により、米国がアフガニスタンを空爆したことで多くの犠牲者が出ていることに日本の皆さんが反応し、アフガニスタンの現状を語るために多くの講演会に招かれました。その一つが2001年10月に静岡市内で開催された講演会で、多くの方がアフガニスタンへの支援を表明し、皆が力を合わせてアフガニスタンの復興に参加しようとNGOカレーズの会の発足につながりました。
名称の「カレーズ」は、地下水脈を表す現地の言葉で、アフガニスタンの人々にとっては命の水脈、癒しの源、将来の夢を意味しています。2013年にはNPO法人に移行し、2017年からは認定NPO法人の認定を取得しています。
カレーズの会は皆様のご支援により支えられています。